旧耐震建築再生運用
東京・田端駅から徒歩4分の立地にある木造2階建ての古民家を
耐震補強&リノベーションし、自社ブランドの宿泊施設
「和モダン一棟貸切宿-東sui京-」として再生したプロジェクトです。
キーマン初となる木造建物への耐震補強工事は、新たな事業展開への第一歩となりました。
<コンセプト>
昔ながらの東京の“粋(イキ)”が感じられる場所、田端。
“粋(イキ)”とは、身なりが垢抜けて、自然な色気を感じ、世情に敏く、
人情が感じられることを表し、
異なる読み方の“粋(スイ)”は、
質がよく優れていることを表します。
“粋”を“sui”と表現し、東京の中で“sui”=“粋”を感じていただきたいという
想いを込めて“東sui京”と名付けました。
2024年3月にオープン。
1975年3月
木造瓦葺
地上2階
248.67㎡
85㎡
1階約85㎡
2階約52㎡
〒114-0014 東京都北区田端1丁目19-23
JR山手線「田端駅」南口から徒歩約4分
1階については庭の景観を損ねないため、建物の隅角部にて
既存筋交いの接合部補強および構造用合板を合わせた補強を行うことで、
最小限ながら効果的な耐震補強を実現した。
蟻害により腐食した浴室部分の柱については、腐食した柱を撤去し、
防除剤を塗布した柱を新設することにより、
低下した性能を回復し建物の安全性を確保している。
2階についてはもともとバランス良く筋交いが配置されていたことから、
既存筋交い端部の接合部補強をメインとした最小限の補強にて耐震性能を確保した。
【内装】
1階の共有空間は、庭にせり出し屋根の架構がみえる開放的なスペースと、
重量感のある左官天井の落ち着いたスペースからなっている。
天井の左官材料には、少し緑色を含めることで、庭からの光が反射し、
外の雰囲気を内部まで引き込む役割をしている。
一方寝室は、既存の部屋割りから大きく変えないことで、
時間を経てあめ色になった柱や長押、障子などを生かし、
昔の記憶を残しながら新旧が混ざり合うように設計を行っている。
【庭園設計】
<アプローチと庭園の植栽>
枯れた樹木の伐根、および既存木の剪定と整理を行い、笹などを撤去し、
入り口近くのシダレモミジはそのまま、また大きなネムノキもそのまま活かし、
アプローチには花の咲く中低木を植栽。
奥に続く建物への期待感を持たせながら、
飛び石の周りの雑草は除去し、防草対策を兼ねた下草や苔を新たに植え、熟成した和のアプローチを作った。
<照明計画>
庭園内の木々には下から照らすガーデン用のアップライトを
アプローチには柔らかな光で飛び石を照らす和風照明で夜間の歩行の安全性も兼ねた照明を配置。
東sui京に宿泊した人しか感じることの出来ない特別な空間が広がる。
事業主体/耐震診断/耐震設計/耐震補強 | 株式会社キーマン |
建築設計/監理 | 株式会社勝亦丸山建築計画 |
グラフィックデザイン | 株式会社ROWBOAT |
庭園設計/施工 | 株式会社ユニバーサル園芸社 |
ホテル宿泊施設運営 | カソク株式会社 |
内装工事 | 株式会社ジャムス |
特殊左官 | 大橋左官合同会社 |
REDOプロジェクトとしてどう活用ができるか検討を始める。
自社ブランドの宿泊施設を立ち上げることを決意し、古民家の10年賃貸借契約をする。
設計事務所の勝亦丸山建築計画、宿泊施設の運営会社であるカソク株式会社、
グラフィックデザイナーの田中裕亮氏らとプロジェクトチームを組み、
本格的にコンセプト案の検討がスタート。
解体してみると蟻害によって柱が腐食していることが判明。
紆余曲折しながら耐震補強工事とリノベーション工事を同時進行する。
グラフィックデザイナーの田中氏と共に
コンセプトから協議をする。
周辺調査を基に周辺MAPを作成。
インバウンド向けのため、多言語対応となった。
カソク株式会社と協力し、開業のための
備品や運営スキームを構築。
内覧会は勝亦丸山建築計画と合同開催し、
建築関係者をはじめ、
近所の方々など
50名以上が来場。
ついにキーマン自社ブランドの宿泊施設がオープン。
各メディアから許可をいただいて掲載しております